会社員が副業する前に確認したい注意点や税金について解説

副業する会社員 個人の税務と確定申告

副業とは、一般的に、本業とは別に収入を得るために行う仕事のことを言います。最近は、国も副業を推進する方向にありますし、副業によって収入を増やしたいと考える会社員も増えてきていますが、副業をする際には注意すべきことがあります。また、税金についても知識を得ておく必要があります。副業を始めてしまってから問題が起きないよう、始める前に確認しておきましょう。

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副業する前に確認しておきたい注意点

会社員が副業をする際には、下記のような点に注意する必要があります。

  1. 会社の就業規則
  2. 税金のこと
  3. ワークライフバランス
  4. 労災

注意点1 会社の就業規則

まず、注意点の1点目として、本業として会社勤めをしている人は、そもそも会社の就業規則で副業が認められているかどうかを確認しましょう。

最近は政策的に副業が認められる方向になってきていますが、あくまで会社員の場合は会社の規則に従う必要があります。

その理由は、従業員は会社と雇用契約を結んでいることから、従業員である間は会社の決まり(就業規則など)を守って勤務することになっているためです。

そのため、副業を始めようとする場合は「自分の会社が副業を認めているのかどうか」をよく確認するようにしましょう。

会社によっては、明確に副業を禁止している会社もありますし、会社の許可を受ければ副業をしてもよい会社もあります。

なお、公務員の場合は副業が原則禁止となっており、非常に限られた条件下でしか副業ができないことになっています。

なぜ副業を禁止する会社が多い?

日本では、まだ副業を禁止している会社が多くあります。なぜ会社は副業を禁止するのでしょうか。

それは、「本業に支障をきたすのではないか」を気にしているからです。つまり、副業に力を入れすぎて本業を疎かにされてしまうことや、会社で得た情報を使って副業をされると企業秘密が外部に漏れてしまうリスクが生じたり、さらには会社の事業と同じ業種の副業をすると、本来会社が得るはずだった利益を従業員個人が持って行ってしまうおそれが考えられるということです。

もし、副業をすることについて会社と話し合う際は、上記のように「会社がなにを気にしているか」を理解したうえで協議を行い、許可を得る必要があります。

注意点2 税金のこと

次に、2点目は税金についてです。

「税金」と聞くと、耳が痛い人も多いのではないでしょうか。漠然と「収入を得たら確定申告をしなければいけない」というくらいは理解している人もいるでしょう。

しかし、実際にどうやって税金の額を計算すればよいのか、どうやって確定申告すればよいのか、よく分かっていない人も多いのが現実です。

多くの場合は雑所得で確定申告する

平日は会社員として働き、休日や夜だけ副業をしている、という人の場合、一般的には雑所得という区分に収入と経費を計上し、確定申告を行うことになります。

確定申告を行う際は、その年の1月1日から12月31日までの1年間の取引を集計して納税額を計算し、翌年の3月15日までに税務署に確定申告書を提出します。

売上については、「1年間でいくらのお金が入ってきたか」ということですので、金額を把握しやすいと思います。

経費については、収入を得るために直接必要な支出を計上することができます。領収書や請求書、レシートが経費を支出したことの証明になりますので、捨てずに保管しておくようにしましょう。

なお、売上から経費を引いた額(所得)が20万円以下なら確定申告しなくてもよい、というルールがありますが、これは正確には所得税の確定申告はしなくてもよい、というルールです。税金には、所得税だけでなく住民税もありますので、仮に所得が20万円以下であっても住民税の申告はしないといけない決まりになっています。この点は、所得税のルールと住民税のルールを混同して誤った理解をしている人が多いので、注意しましょう。

事業所得・雑所得の違いと「300万円の壁」とは?

上記で「多くの場合は雑所得で確定申告する」と記載しましたが、所得の区分には雑所得以外に「事業所得」という区分がありますので、こちらの区分で確定申告するケースも考えられます。事業所得と雑所得のどちらに該当するか判断する際には、以下の国税庁の通達に照らして検討することになります。

▼所得税基本通達より

事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定する。

なお、その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がない場合(その所得に係る収入金額が300万円を超え、かつ、事業所得と認められる事実がある場合を除く。)には、業務に係る雑所得(資産(山林を除く。)の譲渡から生ずる所得については、譲渡所得又はその他雑所得)に該当することに留意する。

簡単にまとめると、以下のようになります。

収入金額 記帳・帳簿書類を保存している 記帳・帳簿書類を保存していない
300万円以下 概ね事業所得と言える 雑所得
300万円超 概ね事業所得と言える 概ね雑所得となる

つまり、日々の取引をきちんと帳簿に記帳しており、その帳簿書類を適切に保存している場合には事業所得に区分される可能性が高い、ということになり、収入金額が300万円を超えるか超えないかだけで判断されることはない、ということになります。この300万円という金額基準を「300万円の壁」などと称することがあります。

ただし、記帳を行い帳簿書類を保存していたとしても、明らかに収入が僅少な場合や営利性が認められない場合には事業所得と主張することは難しいと想定されます。国税庁からも、次のような考え方が示されています。

例えば、その所得の収入金額が、例年、300万円以下で主たる収入に対する割合が10%未満の場合

→ 副業の収入があまりにも少なすぎるため、個別判断により、事業所得と認められない場合もある

その所得が例年赤字で、かつ、赤字を解消するための取組を実施していない

→ 事業とは、一般的に営利を目的として行われる活動であるため、毎年赤字で推移しているのに黒字化するための活動をしていないようなケースでは、個別判断により、事業所得と認められない場合もある

副業が赤字である場合に問題となる点が、給与との損益通算ができるかどうかです。事業所得から生じた赤字については、給与所得の黒字と相殺することができるため、トータルの所得を減少させる効果があり、税金を安くすることができます。一方、雑所得から生じた赤字は切り捨てとなり、給与所得の黒字と相殺することはできません。そのため、納税者の立場からするとなるべく事業所得に区分して確定申告し、トータルの税金を安くしたいと考えますが、本当に事業所得と主張できるかどうかは慎重に検討すべきでしょう。

年末調整と副業の関係

会社員の場合、毎年11月から12月頃に「年末調整」という手続きが行われます。これは、従業員それぞれが自分で確定申告をする代わりに、会社が各従業員の所得税額を計算し、精算してくれる手続きです。

この「年末調整」という制度があることで、多くの会社員は自分で確定申告をする必要がなくなります。

ただし、副業をしている場合は、基本的に自分で確定申告をしなければなりません。会社の年末調整で副業の収入に関する税金を計算することはできないためです。

注意点3 ワークライフバランス

3点目は、ワークライフバランスです。

副業によって収入を得ることができれば家計の助けになりますし、趣味や旅行に使うお金を増やすこともできるかもしれません。また、将来のために副業で稼いだ分を投資に回したり貯金したいという場合もあるでしょう。

しかし、ワークライフバランスを犠牲にしてまで副業をするのは本末転倒です。会社員でいる間は、本業を疎かにすべきではないのは言うまでもありません。

注意点4 労災

最後は、労災の問題です。労災とは、仕事中に事故にあったりケガをしてしまうことです。

副業中に労災にあうと本業にも影響が出てしまうだけでなく金銭的な出費を伴うことにもなってしまいます。

まとめ

副業には、収入を増やせるメリットがありますが、注意しなければならない点もたくさんあります。特に税金のことに関しては、副業をする全員が確認しなければならない重要なポイントと言えます。副業を行う際は、仕事の内容や副業自体の必要性をよく検討してから決めるようにしましょう。

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