住宅ローン控除の改正で令和4年以降はどうなる?

住宅 個人の税務と確定申告
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住宅ローン控除の概要

住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合に、年末の借入金残高に一定率を乗じた金額を税額控除できる制度です。10年間(または13年間)に渡って税額控除を受けることができるため、所得税の減額効果の大きい制度となっています。

令和4年度の税制改正によって、この住宅ローン控除に関する様々な改正が行われました。

住宅ローン控除の改正内容

令和4年度の税制改正による主な改正内容として、次の点が挙げられます。

  1. 所得要件の引き下げ
  2. 控除期間の変更
  3. 控除率の引き下げ
  4. 控除対象ローン金額の上限の引き下げ
  5. 面積要件の緩和
  6. 対象となる住宅の制限
  7. 住民税からの控除上限の引き下げ

なお、住宅ローン控除の適用期限については、改正前の令和3年12月31日から令和7年12月31日まで4年間延長されています。

所得要件の引き下げ

住宅ローン控除を適用するためには、所得が一定金額以下である必要があります。つまり、所得要件が定められています。

これまでの所得要件は、「合計所得金額3,000万円以下」でしたが、この金額が「2,000万円以下」に引き下げられました。

なお、この要件は、令和3年12月31日までに居住を開始していた人には関係ありません(従来通り3,000万円です)。あくまでも、令和4年1月1日以降に居住開始した人に影響のある改正です。

控除期間の変更

控除期間については、令和3年入居分までは10年(消費税率10%適用の場合は13年)となっていますが、この年数が変更になりました。まとめると、以下の表のようになります。

令和4年、5年入居分 令和6年、7年入居分
【新築】認定住宅、ZEH(※)水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅 13年
【新築】一般住宅 13年 ゼロ(条件付きで10年)
【中古】認定住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅、一般住宅 10年

※ZEH・・・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス。「ゼッチ」と読みます。家庭で費消するエネルギーと、太陽光発電などで創られるエネルギーをバランスして、1年間で費消するエネルギーの量を実質的にゼロ以下にする家のことです。

控除率の引き下げ

控除率については、従来、年末借入残高の1%でしたが、これが0.7%へ引き下げられます。

これは、会計検査院から、支払っている利息よりも税額控除額のほうが大きくなっている、つまり本来なら住宅ローンを組む必要のなかった人(主に富裕層)まで住宅ローンを組んでいる、といった趣旨の指摘があったことを踏まえた改正です。

控除対象ローン金額の上限の引き下げ

控除の対象となる住宅ローン残高の上限については、引き下げが行われましたが、優良住宅等については上乗せ措置が講じられています。まとめると、以下の表のようになります。

令和4年、5年入居分 令和6年、7年入居分
【新築】認定住宅 5,000万円 4,500万円
【新築】ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円
【新築】省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円
【新築】一般住宅 3,000万円 ゼロ(条件付きで2,000万円)
【中古】認定住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅 3,000万円
【中古】一般住宅 2,000万円

面積要件の緩和

これまで、住宅ローン控除を受けることのできる住宅については、床面積が原則として50㎡以上という要件がありましたが、この要件の緩和(拡充)が行われました。

令和5年以前に建築確認を受けた新築住宅については、小規模な住宅に関する特例として「40㎡以上50㎡未満」である住宅も住宅ローン控除を受けられる住宅に追加されました。

ただし、この場合、合計所得金額が1,000万円以下である年のみに適用できることに留意する必要があります。また、新築・未使用住宅限定の取り扱いであることにも留意が必要です。

対象となる住宅の制限

改正前は、住宅ローン控除の対象となる住宅の種類を「一般の住宅」と「認定住宅」に分けて定めていました。

この点について、令和6年1月1日以降の新築住宅については、一定の省エネ基準を満たさないと住宅ローン控除の適用ができなくなります。具体的には、次の通りです。

  • 長期優良住宅・低炭素住宅
  • ZEH水準省エネ住宅
  • 省エネ基準適合住宅
つまり、令和6年以降に建築確認を受ける新築住宅については、省エネ基準等に適合していることが要件化されたことになり、当該要件を満たさない新築住宅については住宅ローン控除を受けることができなくなっています。

なお、中古住宅について、改正前は木造等で築20年以内、マンション等で築25年以内という築年数要件がありましたが、この要件は改正により撤廃されました。

住民税からの控除上限の引き下げ

住宅ローン控除による税額控除額については、その人の年収や所得によっては、所得税から控除しきれない額が生じる場合があります。このような控除しきれなかった額については切り捨てられる訳ではなく、住民税から控除されます。

住民税から控除するという点は継続されますが、その金額の上限が、従来の136,500円から97,500円に引き下げられます。

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